2022.10.28 [イベントレポート]
藤ヶ谷太輔、人生から“逃げまくる”ダメ男熱演「アイドル業に支障が出ました」
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藤ヶ谷太輔(左)、三浦大輔監督(右)

第35回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門に正式出品された『そして僕は途方に暮れる』が10月28日、東京・角川シネマ有楽町で上映された。上映後には主演を務める「Kis-My-Ft2」の藤ヶ谷太輔、三浦大輔監督が駆けつけ、観客とのQ&Aに応じた。

2018年春にシアターコクーンで上演された舞台「そして僕は途方に暮れる」に続き、作・演出の三浦と藤ヶ谷が再タッグを組んだ映画版。自堕落な生活を送るフリーターの菅原裕一(藤ヶ谷)が、あらゆる人間関係を絶ち切り、人生から“逃げまくる”滑稽で哀愁にじむ姿を通して、誰もが抱える逃避願望をあぶり出す。

ダメ男を熱演した藤ヶ谷は「辛く苦しい撮影を乗り越えた作品。撮影初日から逃げたいなと思いました。楽しい思い出は、ひとつもありません!」と過酷なロケを回想。とあるシーンでは「リハーサルも含めると、テイク数は100回弱(笑)。三浦監督が「日本語の辞書に載っていない言葉を表現してください」って」と舞台裏を明かした。極寒の北海道・苫小牧ロケも行われ「走ったし、濡れたし、自転車もめちゃ漕ぎました」と話していた。

役どころについては、「クズだなと思いつつ、きっと自分にもこういうところがあるかもと共感してもらえるはず。応援したくなるキャラクターでもある」と分析。その分、自身に与えた影響も大きかったようで「半年くらいテンションが戻らず、心と表情が動かなかった」とも。「撮影の直後にライブがあったんですけど……。アイドル業に支障が出ました(笑)」と苦笑いを浮かべた。

それでも「それは三浦組を経験し、役に向き合った称号なのかなと。監督にはいろんなものを引き出してもらったし、自分のキャパも知ることができた」と感謝の意。「舞台というベースはありましたが、新たに作り上げた感じ。舞台の経験があったから、余裕だったというシーンはなかったですし、もしも舞台をやっていなかったら、どうなっていたことか」と振り返った。

そんな藤ヶ谷の言葉を受けて、三浦監督は「大変な思いをさせてしまったが、その成果は皆さんに届いていると信じている。藤ヶ谷くんの表情、佇まい、言葉は悪人ではないダメさを絶妙なラインで保っていて、菅原でしかなかった。そのあたりは評価されてほしい」と称賛。撮影中「ギクシャクすることもあった」と明かし、「でも、夜中にコソっとLINEで「作品に向き合う意志はあるし、円滑に現場を回して、いい作品にしましょう」と。自分も頑張ろうと、泣きそうになりました」と“座長”の心づかいに感激していた。

『そして僕は途方に暮れる』は、2023年1月13日に東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開される。前田敦子と中尾明慶が、舞台に引き続き出演するほか、映画版には、豊川悦司、原田美枝子、香里奈、毎熊克哉、野村周平も新たに参戦する。第35回東京国際映画祭は、11月2日まで日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。
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