2022.10.25 [イベントレポート]
東京国際映画祭コンペ部門初のベトナム作品がお披露目 3人の女性の特別な愛情描く『輝かしき灰』
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3人の女性の愛の物語を紹介

第35回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されたベトナム・フランス・シンガポールの合作映画『輝かしき灰』が10月24日、東京・丸の内 TOEI1で上映され、ブイ・タック・チュエン監督、俳優のレ・コン・ホアン、ジュリエット・バオ・ゴック・ドリン、フオン・アイン・ダオ、ゴー・クアン・トゥと本作プロデューサーが観客とのQ&Aに応じた。

『漂うがごとく』(2009)で、ベネチア映画祭国際批評連盟賞を受賞したチュエン監督が、ベトナムを代表する作家グエン・ゴック・トゥの小説を映画化。ベトナム南部のメコン・デルタの貧しい村を舞台に、心に傷を負いながらも、それぞれの形で夫を愛した3人の女性を描く。本作は、本映画祭コンペティション部門では初のベトナムの作品となる。

チュエン監督は、「ベトナム南部に住んでいる女性の短編小説です。ある女性が特異な愛情を持っており、その積極性のある彼女の愛が止まらないという物語。その話が私の頭から離れず、この映画になったのです」と原作と本作のテーマを語る。

短編2作を併せて1つの物語とした。「最初は1本の短編からの映画化を考えていましたが、脚本を書き終えたら足りないと思ったのです。2人の女性を取り巻く物語でしたが、ひとり足して、3人にすることでよりしっかりした映画ができると思ったのです。3人の女性の男性に対するそれぞれの特別な愛の形、それによって愛の強さを表せると考えました」と映画化にあたってのオリジナリティについて述べ、「脚本に2年、撮影に5年かかりました。7年間、困難なことが多く、こうやって完成して見ていただけるとは考えられないほど大変でした。愛情というものは決して古くならないテーマだと思います。特に女性の愛情、この映画で書いた愛は特別な物語を持っていると思います」と完成までの長い苦労と本作への強い思い入れを明かした。

第35回東京国際映画祭は、10月24日~11月2日、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。
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