2022.10.30 [イベントレポート]
ウーマンラッシュアワー村本大輔、自身のドキュメンタリー映画撮影中の父親の死去を告白
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映画には村本が亡き父親とケンカをするシーンも

第35回東京国際映画祭のNippon Cinema Now部門でドキュメンタリー『アイ アム ア コメディアン』がTOHOシネマズシャンテで上映され、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔、中川パラダイス、日向史有監督が上映後のQ&Aに出席した。

村本が2017年頃から漫才で原発や沖縄基地問題などの政治ネタを盛り込むようになり、テレビ出演が激減。劇場出演やスタンドアップコメディに活路を求め、今年5月に米国へ武者修業に向かうまでの3年間に密着した。日向監督は、「企画を立ち上げてから4年。多くの方に見てもらえる場に立てて幸せに思っています」と感慨深げに話した。

21年3月に衛星放送BSトゥエルビで放送された「村本大輔はなぜテレビから消えたのか?」が、衛星放送協会オリジナル番組アワードでグランプリに輝くなど高評価を得たため映画として再構築。村本は、「内面ブサイクランキングの授賞式に来てきださってありがとう」とボケつつもうれしそうだ。

日米の笑いの違いについて問われると、「芸人の知的レベル」と即答。「ニュースのコメンテイターをするわけではなく、向こうは同じテーマでも自分から笑いに変えて話す。芸人が社会とつながっている感じがする」と分析。その上で「僕も原発のことを言い出したら、見る見るうちに客の年齢層が上がっていった」と語った。

映画には村本が父親とケンカをするシーンがあり、「撮ってもらった後にお父さんが亡くなったんです。誰かを泣かす材料として使われるのは嫌だった」と告白。ただ、日向監督の父親も同時期に死去したことから「親子の会話を同じくらい大事に使ってくれたらいい」と認めたという。

相方の中川は、「単純に出番が少なかった。マネージャーの方が多かった」と不満げ。さらに、「村本のいいところが前面に出すぎ。もう少しこいつの汚い、嫌な部分が出ても良かったけれど感動はした。めちゃくちゃ面白かった」と褒め言葉を絞り出した。

そして、村本が「実は5日前にお母さんも亡くなって……。母にもささげたい」と語ると、会場は騒然。直後に「ウソです。今日来ています」と紹介された客席の母親は、マイクを渡され「ニワトリが一生懸命飛ぼうとするように、本人も頑張っています。これからも応援、よろしくお願いします」と語ると、この日最も大きな拍手が送られた。

第35回東京国際映画祭は、11月2日まで開催される。
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