(左から)井上真央、杉田真一監督
第35回東京国際映画祭の「Nippon Cinema Now」部門に出品された『
わたしのお母さん』の舞台挨拶が10月28日、東京・角川シネマ有楽町で行われ、主演の井上真央、杉田真一監督が登壇した。
本作は、『人の望みの喜びよ』で第64回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門のスペシャルメンションを受けた杉田真一が監督・脚本を担い、母娘の間にある複雑で繊細な感情を綴った物語。井上は母との関係に苦しさを感じる主人公・夕子、石田えりが悪気なく娘を追い込む母・寛子を演じている。
杉田監督は、母娘の物語を選んだ理由について「企画を考えていた時期に、母と娘の問題を目にする機会が多かったので、そこで興味を持ちました」と振り返り、「すべてではないですが、(母娘の問題では)白と黒だったり、強い言葉を選んでいたり、小さな違和感があるようになりました。なので、この映画を作るきっかけは興味と小さな違和感です」と明かす。
井上と石田をキャスティングした理由については「実力派と呼ばれることを疑うこともなく、リスペクトもあるお2人。石田さんは年々増していくような現役感、井上さんは佇まいの説得力がありました」と話す。
井上は同作で演じた夕子について「難しかったですね」としみじみ。「夕子としてすっと立って、役としてただ存在することがこんなに難しいんだって感じましたし、この映画を通して役との向き合い方をもう一度考えさせられました」と語り、難しかったシーンを聞かれると「全部って言いたいところですが……」と苦笑。
具体的には歩くシーンに苦戦したそうで、「撮影前に監督が「歩くシーンを大事に作りたい」っておっしゃっていて。ただ歩くシーンがいくつかあるのですが、歩きながら(そのときの)夕子の気持ちを表すのが難しかったですね。母と大喧嘩する前の歩くシーンは、一番どうしていいかわからなかったところ。監督が「コップ一杯に水がたっぷり入っていて、それを持ちながら歩いている感じ」って言っていて。こぼれそうだけれどこぼれないという感覚は、なんとなく腑に落ちました」と裏話を明かしていた。
『わたしのお母さん』は、11月11日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。第35回東京国際映画祭は11月2日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。
(左から)井上真央、杉田真一監督
第35回東京国際映画祭の「Nippon Cinema Now」部門に出品された『
わたしのお母さん』の舞台挨拶が10月28日、東京・角川シネマ有楽町で行われ、主演の井上真央、杉田真一監督が登壇した。
本作は、『人の望みの喜びよ』で第64回ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門のスペシャルメンションを受けた杉田真一が監督・脚本を担い、母娘の間にある複雑で繊細な感情を綴った物語。井上は母との関係に苦しさを感じる主人公・夕子、石田えりが悪気なく娘を追い込む母・寛子を演じている。
杉田監督は、母娘の物語を選んだ理由について「企画を考えていた時期に、母と娘の問題を目にする機会が多かったので、そこで興味を持ちました」と振り返り、「すべてではないですが、(母娘の問題では)白と黒だったり、強い言葉を選んでいたり、小さな違和感があるようになりました。なので、この映画を作るきっかけは興味と小さな違和感です」と明かす。
井上と石田をキャスティングした理由については「実力派と呼ばれることを疑うこともなく、リスペクトもあるお2人。石田さんは年々増していくような現役感、井上さんは佇まいの説得力がありました」と話す。
井上は同作で演じた夕子について「難しかったですね」としみじみ。「夕子としてすっと立って、役としてただ存在することがこんなに難しいんだって感じましたし、この映画を通して役との向き合い方をもう一度考えさせられました」と語り、難しかったシーンを聞かれると「全部って言いたいところですが……」と苦笑。
具体的には歩くシーンに苦戦したそうで、「撮影前に監督が「歩くシーンを大事に作りたい」っておっしゃっていて。ただ歩くシーンがいくつかあるのですが、歩きながら(そのときの)夕子の気持ちを表すのが難しかったですね。母と大喧嘩する前の歩くシーンは、一番どうしていいかわからなかったところ。監督が「コップ一杯に水がたっぷり入っていて、それを持ちながら歩いている感じ」って言っていて。こぼれそうだけれどこぼれないという感覚は、なんとなく腑に落ちました」と裏話を明かしていた。
『わたしのお母さん』は、11月11日から東京・渋谷のユーロスペースほか全国で順次公開。第35回東京国際映画祭は11月2日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催。