こがけん「『アメリカン・サイコ』の狂気じみた笑顔が、本作でも見られる」
第35回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門に出品された『
アムステルダム』(デビッド・O・ラッセル監督作)が10月26日、東京・有楽町のTOHOシネマズ日比谷で上映された。映画通で知られるお笑い芸人のこがけんが、スペシャルトークショーを行った。
『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』の3作品で、アカデミー賞へのノミネート数が25部門にもおよぶラッセル監督の約7年振りとなる本作は、衝撃的な実話を、史実とフィクションを融合させて描く「ありえないけど、ほぼ実話」という物語。舞台は、1930年代のニューヨーク。楽観主義な医師バート(クリスチャン・ベール)、しっかり者の弁護士ハロルド(ジョン・デビッド・ワシントン)、負けん気が強い女性ヴァレリー(マーゴット・ロビー)の親友3人組が、世界の歴史を変える巨大な陰謀に巻き込まれるさまを描く。
こがけんは、冒頭から興奮が止まらない様子で、本作の見どころをアピール。「選ぶのは難しいですが、やっぱりマーゴット・ロビー! クリスチャン・ベールとロバート・デ・ニーロは、ラッセル監督作品に出演経験があって、いままでのベストメンバーを集めた雰囲気があるんです。マーゴット・ロビーは初出演ですが、輝きというか、存在感が素晴らしくて……」と熱弁する。「中心となる3人の状況は、大きく3回変化するんです。そのなかで最も環境、それに合わせて表情が変わってしまうのも、マーゴット・ロビーが演じるヴァレリーというキャラクター。3つの表情は絶妙に違うんですが、ちゃんと同じ人を演じているという統一感も良かったです」と、賛辞をおくる。さらに、アーティストであるヴァレリーの作品に、実際にロビーが作ったものも含まれているという豆知識も披露し、相変わらずの映画ファンぶりを垣間見せていた。
続いては、主演のベールについて。こがけんは、「クリスチャン・ベールは、癖のあるお医者さん。ですが、楽天的な性格の、人間味のある魅力的なキャラクターです。僕が大好きな『アメリカン・サイコ』の、見ているこちらが不安になるような狂気じみた笑顔が、本作でも見られるんです。あとはやっぱり、役づくり。眠れなくなってどんどん痩せていく男を演じた『マシニスト』でも、体重を落として、がりがりになっているんです。本作でも実在の人物を演じるため、コルセットをつけて、5センチ身長を低くするという……すごいなと思いました」と、驚嘆していた。
そしてMCの誘導で、こがけんが十八番であるハリウッド映画モノマネを披露する流れに。海外からのゲストや観客も多いということで、気合が入った様子のこがけん。まずは、おなじみの「クリスマスの夜、窓の外にゾンビを見つけた父親」を見せると、会場からは大きな笑い声が。「ウケた!」と手応えを感じたこがけんは、続いて、「ネタバレなしで『アムステルダム』のモノマネをする」というハードル高めのミッションに挑戦。「嫁と妹がもめだしたことを客人に謝るときの、黒目の動きと話すスピードが気になるラミ・マレック」という新作を見せるも、リアクションがイマイチだったようで、「ちょっと、これは良くない……」と悲しげだった。
改めて、ラッセル監督作の魅力を問われたこがけん。「『アメリカン・ハッスル』も実話をもとにした題材で描かれていました。クリスチャン・ベールは実際にいた詐欺師を演じていたんですが、シリアスになりすぎない、ちょっと笑えるような人間味溢れる内容で。ラッセル監督は、そういう題材が、そもそも得意なんだと思います。『世界にひとつのプレイブック』も、精神を病んだふたりを描くというセンシティブな題材ですが、「笑っていいんだ」というコミカルな内容。そもそもラッセル監督は、あたたかい人なんだと思いますね」と解説した。
イベントの最後に、こがけんは、「さっきのモノマネを取り返すわけじゃないですが、『マシニスト』のクリスチャン・ベールだけやっておいていいですか?」と提案。「一瞬ですよ」といいながらも、『マシニスト』の両手を上げた、やせ細ったベールのモノマネをやり切ると、今度は会場から笑い声が上がり、ご満悦の様子だった。
『アムステルダム』は、10月28日に全国で公開。第35回東京国際映画祭は11月2日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催される。
こがけん「『アメリカン・サイコ』の狂気じみた笑顔が、本作でも見られる」
第35回東京国際映画祭のガラ・セレクション部門に出品された『
アムステルダム』(デビッド・O・ラッセル監督作)が10月26日、東京・有楽町のTOHOシネマズ日比谷で上映された。映画通で知られるお笑い芸人のこがけんが、スペシャルトークショーを行った。
『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』の3作品で、アカデミー賞へのノミネート数が25部門にもおよぶラッセル監督の約7年振りとなる本作は、衝撃的な実話を、史実とフィクションを融合させて描く「ありえないけど、ほぼ実話」という物語。舞台は、1930年代のニューヨーク。楽観主義な医師バート(クリスチャン・ベール)、しっかり者の弁護士ハロルド(ジョン・デビッド・ワシントン)、負けん気が強い女性ヴァレリー(マーゴット・ロビー)の親友3人組が、世界の歴史を変える巨大な陰謀に巻き込まれるさまを描く。
こがけんは、冒頭から興奮が止まらない様子で、本作の見どころをアピール。「選ぶのは難しいですが、やっぱりマーゴット・ロビー! クリスチャン・ベールとロバート・デ・ニーロは、ラッセル監督作品に出演経験があって、いままでのベストメンバーを集めた雰囲気があるんです。マーゴット・ロビーは初出演ですが、輝きというか、存在感が素晴らしくて……」と熱弁する。「中心となる3人の状況は、大きく3回変化するんです。そのなかで最も環境、それに合わせて表情が変わってしまうのも、マーゴット・ロビーが演じるヴァレリーというキャラクター。3つの表情は絶妙に違うんですが、ちゃんと同じ人を演じているという統一感も良かったです」と、賛辞をおくる。さらに、アーティストであるヴァレリーの作品に、実際にロビーが作ったものも含まれているという豆知識も披露し、相変わらずの映画ファンぶりを垣間見せていた。
続いては、主演のベールについて。こがけんは、「クリスチャン・ベールは、癖のあるお医者さん。ですが、楽天的な性格の、人間味のある魅力的なキャラクターです。僕が大好きな『アメリカン・サイコ』の、見ているこちらが不安になるような狂気じみた笑顔が、本作でも見られるんです。あとはやっぱり、役づくり。眠れなくなってどんどん痩せていく男を演じた『マシニスト』でも、体重を落として、がりがりになっているんです。本作でも実在の人物を演じるため、コルセットをつけて、5センチ身長を低くするという……すごいなと思いました」と、驚嘆していた。
そしてMCの誘導で、こがけんが十八番であるハリウッド映画モノマネを披露する流れに。海外からのゲストや観客も多いということで、気合が入った様子のこがけん。まずは、おなじみの「クリスマスの夜、窓の外にゾンビを見つけた父親」を見せると、会場からは大きな笑い声が。「ウケた!」と手応えを感じたこがけんは、続いて、「ネタバレなしで『アムステルダム』のモノマネをする」というハードル高めのミッションに挑戦。「嫁と妹がもめだしたことを客人に謝るときの、黒目の動きと話すスピードが気になるラミ・マレック」という新作を見せるも、リアクションがイマイチだったようで、「ちょっと、これは良くない……」と悲しげだった。
改めて、ラッセル監督作の魅力を問われたこがけん。「『アメリカン・ハッスル』も実話をもとにした題材で描かれていました。クリスチャン・ベールは実際にいた詐欺師を演じていたんですが、シリアスになりすぎない、ちょっと笑えるような人間味溢れる内容で。ラッセル監督は、そういう題材が、そもそも得意なんだと思います。『世界にひとつのプレイブック』も、精神を病んだふたりを描くというセンシティブな題材ですが、「笑っていいんだ」というコミカルな内容。そもそもラッセル監督は、あたたかい人なんだと思いますね」と解説した。
イベントの最後に、こがけんは、「さっきのモノマネを取り返すわけじゃないですが、『マシニスト』のクリスチャン・ベールだけやっておいていいですか?」と提案。「一瞬ですよ」といいながらも、『マシニスト』の両手を上げた、やせ細ったベールのモノマネをやり切ると、今度は会場から笑い声が上がり、ご満悦の様子だった。
『アムステルダム』は、10月28日に全国で公開。第35回東京国際映画祭は11月2日まで、日比谷・有楽町・丸の内・銀座地区で開催される。