ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集

ツァイ・ミンリャン監督デビュー30周年記念特集
Tsai Ming-liang 30th Anniversary Tribute

1993年の東京国際映画祭ヤングシネマコンペティションでブロンズ賞を受賞した『青春神話』での監督デビューから30年を迎えるツァイ・ミンリャン監督の特集上映を、台北駐日経済文化代表処台湾文化センター、及び東京フィルメックスとの共催で開催致します。それぞれの作品から現代の世界の様々な側面が見えてくることは間違いありません。また、この部門での上映がきっかけとなり、各作品の日本での公開が実現することを期待したいと思います。
ツァイ・ミンリャン(蔡明亮)

マレーシア出身、台湾を拠点とする映画監督。これまで11本の長編映画の脚本・監督を手掛け、多くの短編映画やテレビ映画を監督してきた。台湾映画界で最も名高い“第二次ニューウェーブ”の映画監督の一人である。監督作は世界中で高く評価され、数々の映画祭で賞を獲得している。

青春神話
[青少年哪吒]
Rebels of the Neon God
台北の繁華街・西門町に集う若者たちを描き、多くの国際映画祭で上映されたツァイ・ミンリャンの監督デビュー作。第6回東京国際映画祭ヤングシネマコンペティションでブロンズ賞を受賞した。

106分/カラー/北京語/英語・中国語・日本語字幕/1992年/台湾

青春神話
© Ill-gotten Party Assets Settlement Committee  提供: 竹書房

作品解説

台北の繁華街・西門町に集う若者たちを描いた、ツァイ・ミンリャンの記念すべき監督デビュー作。受験間近の予備校生シャオカンは、繁華街で遊び回る友人たちに羨望を抱いていた。やがて、占いで中国の神話の登場人物である反逆心旺盛な“哪吒(ナタ)太子”の生まれ変わりだとされたシャオカンは、自らも夜の街にさまよい出るようになる。
行き場のない若者たちの鬱屈を見事に表現した作品。今では影も形もなくなった西門町のかつての風景が見られるのも貴重である。シャオカン役を演じたリー・カンションは、ゲームセンターにいたところをスカウトされ、以後ツァイ作品の常連俳優となった。

スタッフ

監督/脚本:ツァイ・ミンリャン、プロデューサー:シュー・リーコン、撮影監督:リャオ・ペンロン、編集:ワン・チーヤン、音楽:ホワン・シューチュン

キャスト

シャオカン:リー・カンション
アザー:チェン・チャオロン
アビン:レン・チャンピン
アクイ:ワン・ユーウェン
シャオカンの母:ルー・シャオリン
シャオカンの父:ミャオ・ティエン
楽日
[不散]
Goodbye Dragon Inn
キン・フーの『血斗竜門の宿』が上映されている閉館間際の映画館。客席には出演した老優たちの姿が見える…。ヴェネチア映画祭で国際批評家連盟賞を受賞した傑作。デジタル修復版の日本初上映。

82分/カラー/北京語、台湾語、日本語/英語・中国語・日本語字幕/2003年

楽日
©Lin Meng-Shan

作品解説

台北に実在した映画館・福和大戯院。閉館を迎えた日、場内ではキン・フー監督の武侠映画『血斗竜門の宿』(67)が上映されている。場内にはふたりの老人がいる。ひとりは主役を演じたシー・チュン、もうひとりは敵役を演じたミャオ・ティエン。やがて映画は終盤に差し掛かり、映画館の最後の時間が迫ってくる。
古き良き時代の映画と映画館へのオマージュが溢れる作品。ミャオ・ティエンは『青春神話』(92)から『ヴィザージュ』(09)まで、ツァイ作品の常連俳優として活躍した。受付係を演じたのは『エドワード・ヤンの恋愛時代』(94)でデビューしたチェン・シャンチー。

スタッフ

監督/脚本/エグゼクティブ・プロデューサー:ツァイ・ミンリャン、プロデューサー:クロード・ワン、撮影監督:リャオ・ペンロン、編集:チェン・スンチャン、美術監督:ルー・リーチン、衣装:スン・ホイメイ、音響:ドゥ・ドゥージー、録音:タン・シャンジュー

キャスト

受付係の女:チェン・シャンチー
映写技師:リー・カンション
三田村恭伸
ミャオ・ティエン
シー・チュン
ヤン・クイメイ
チェン・チャオロン
ツァイ・ミンリャン短編集
Tsai Ming-liang Shorts Program
[秋日]/[光]/[月亮 樹]/[良夜不能留]
Autumn Days / Light / The Moon and the Tree / The Night
『秋日』『光』『月と樹』『その夜』を上映します。
ツァイ・ミンリャン短編集
©Homegreen Films ©Claude Wang

作品解説

『秋日』 Autumn Days
24分/日本語/2015年/台湾
スクリプター、プロダクション・マネージャーとして、黒澤明監督作品を支えてきた野上照代を撮影した作品。映画の後半は砧の東宝スタジオで撮影された。ツァイの野上に対する敬意と愛情が全編に感じられる作品。

『光』 LightLight
18分/北京語/2018年/台湾
『あなたの顔』(18)の撮影直後に、同作品の撮影場所となった台北の歴史的建造物・中山堂を撮影した作品。アラブ様式の窓を持ち、かつては重要なイベント・ホールであった中山堂の“顔”をとらえた短編とも言える。

『月と樹』 The Moon and the Tree
34分/北京語/2021年/台湾
1970年代に大ヒット曲「我愛月亮」を発表し、その後、手術の失敗のため下半身不随となった歌手、リー・ペイジンと、撮影時100歳近くであった往年のスター俳優、チャン・フォンをとらえた作品。台北映画祭の委嘱で製作された。

『その夜』 The Night
20分/北京語/2021年/台湾
2019年11月に香港のコーズウェイベイで撮影された作品。民主化デモの痛々しい痕跡が夜の風景の中に浮かび上がる。原題の「良夜不能留」は、香港の2019年11月に香港のコーズウェイベイで撮影された作品。民主化デモの痛々しい痕跡が夜の風景の中に浮かび上がる。原題の「良夜不能留」は、香港の往年のヒット曲の題名。ヴェネチア映画祭で上映された。

スタッフ

『秋日』
監督:ツァイ・ミンリャン、プロデューサー:クロード・ワン、撮影監督:チャン・ジョンユェン、編集:レイ・チェンチン、サウンドミキサー:チェン・チャイウェイ

『光』
監督:ツァイ・ミンリャン、プロデューサー:クロード・ワン、撮影監督/編集:チャン・ジョンユェン

『月と樹』
監督:ツァイ・ミンリャン、プロデューサー:クロード・ワン、撮影監督/編集:チャン・ジョンユェン、音響:テリー・リン

『その夜』
監督/撮影:ツァイ・ミンリャン、プロデューサー:クロード・ワン、撮影監督:ツァイ・ミンリャン、編集:チャン・ジョンユェン

キャスト

『秋日』
野上照代
リー・カンション

『光』
井出 薫

『月と樹』
リー・ペイジン
チャン・フォン
水の上を歩く/西遊
[行在水上]/[西遊]
Walking on Water / Journey to the West
ウォーカーシリーズの2編を併映します。
水の上を歩く/西遊
©Homegreen Films

作品解説

『水の上を歩く』
30分/北京語/2013年/台湾
『水の上を歩く』は、タン・チュイムイ、アーティット・アッサラット、ミディ・ジー、ロイストン・タン、スン・コーとともに、東南アジアにおける中国人移民を扱ったオムニバス映画『南方来信』(13)の1エピソードとして撮影された短編。ツァイの出身地であるマレーシアのクチンで撮影された。今回が日本初上映である。

『西遊』
56分/セリフなし/2014年/フランス・台湾
2012年に始まり、リー・カンションが托鉢僧に扮して超スローでさまざまな都市を歩くスローシネマの極致とも言うべき「ウォーカー」シリーズから2作品を上映。ベルリン映画祭パノラマ部門で上映された『西遊』は、シリーズの中でも最長の作品で、フランスで撮影された。レオス・カラックス作品で知られるドゥニ・ラヴァンも顔を見せている。

スタッフ

『水の上を歩く』
監督/脚本:ツァイ・ミンリャン

『西遊』
監督/脚本:ツァイ・ミンリャン、撮影監督:アントワーヌ・エベルレ、編集:ライ・チェンチン、音楽:セバスティアン・マウロ、音響:グザヴィエ・ドレフュス、録音:フレデリック・サル

キャスト

『水の上を歩く』
リー・カンション

『西遊』
リー・カンション
ドゥニ・ラヴァン

東京フィルメックス 共催上映

『ふたつの時、ふたりの時間』
What Time Is It There?

116分/2001年

『西瓜』
The Wayward Cloud

114分/2005年

『ヴィザージュ』
Face

141分/2009年

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